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◇平成26年度介護の日記念講演


介護の日記念講演「“平穏死”という言葉が生まれたわけ」

(『平穏死』ですっかり有名になった、特養芦花ホーム医師石飛幸三先生を招いて記念講演会が行われた。実は2年前にも静介主催にて、石飛先生の講演会を企画。反響が大きく申込者が増え会場を変更しての開催となった。 

 さて、今回は静岡県老人福祉施設協議会との共催という形で開催。石飛先生は、前日の11月12日にも伊豆長岡にて講演会を行ったとのこと。

2日続きでたいへんお疲れであったと思うが、先生は「長岡では歓迎され、おいしい料理をいただき温泉にも入り、英気を養ったから大丈夫」と精力的に講演をしていただいた。

 石飛先生は、平成17年より縁あって現在の特養の常勤医師となり、多くの認知症の高齢者が誤嚥性肺炎を起こすと、判で押したように胃ろうを勧められ自然な天命を待つのではなく、人工的に栄養を摂取させられて生かされている現実に直面される。

延命治療法は進歩したが、法律では命を延ばす方法があるのであれば、それをしないと「不作為の殺人」になるので医師はそれを恐れている現実があった。

8割の人が自宅で死にたいと願っているのに8割の人が病院で亡くなっている実情があり、医療技術の進歩と人間の「老いの現実」とがうまくかみ合わなくなってしまっていると痛感。

そんな時に芦花ホームで入所されていた方が誤嚥性肺炎で入院。
その夫は「胃ろうをつけたら女房に恩を仇で返すことになる」と胃ろうを拒否。
石飛先生はじめホーム職員が病院に掛け合い退院となり、ホームで再び過ごすことになる。
夫が献身的に食事介助に努めた結果少しづつ食べるようになった。夫は「朝、無理に起こさない。目を覚まして、食べたがったら食べさせる。
欲しがらなかったら無理に食べさせない。お腹が空いたら食べる。もし食べたくない日が続いてそれで最期を迎えるのであればそれが寿命だ」とそんな覚悟を決めていたそうです。その結果1年半1日平均ゼリー食2パック(約600kcal)食べて永眠されたとのことです。
「食べたかったら食べさせる。空腹は最高のスパイスです。」とも夫は話されたとのことです。「生きる力があればお腹が空く、お腹が空けば食べる。それが本当に本人を尊重することなのだ。」とホームの職員や石飛先生もこんな当たり前のことを改めて教わり、ホームでの食事介助のあり方が大きく変わったとのことです。

 芦花ホームでは、ホームで亡くなった方は、平成17年度は1名。それが平成23年度には21名。そのほとんどは平穏死だったとのことです。
 石飛先生の働きかけにより「平穏死」は今や市民権を得た感じがします。私の働いている特養でも、施設でのターミナルケアを臨むご家族が増えております。「ここで最期を迎えることができてよかった」とご家族から言われるよう努力していきたいと思います。

最後に講演会の中で一番印象に残ったことばを紹介させていただきます。
・「押し付け」の間違い
・認知症の人を叱るな
・無理に食べさせるな
・死にそうな人を救急車に乗せるな

 なお、石飛先生の図書としては、「平穏死」という選択 幻冬舎ルネッサンス発行家族と迎える「平穏死」廣済堂出版他ありますので、ぜひ読んでいただければと思います。